地球環境 : 炭化について考える・・・
炭化について
 炭化の材料には、山林・竹林の間伐材や建設廃材の木くずが使われます。木や竹を炭化すると、それらに含まれる炭素の7割が木炭・竹炭・木酢液・竹酢液・タール分として、それぞれ固体、液体のかたちで回収できます。近年は建築解体材や木質系廃材も近代設備を整えた製炭工場で炭に焼かれ工業資材、生活資材として再生されています。なぜなら木質系の廃材は焼却するよりも炭化して炭にした方がいろいろな用途にリサイクルできる他、二酸化炭素の発生量も抑制できるからです。
 それでは炭がどのような用途に使用できるか簡単に例を挙げますと、飲料水の浄化・炊飯・調理用・生活環境改善用(トイレ・車内・室内の消臭、空気の浄化・入浴用・床下調湿・安眠効果など)といった家庭で使用できるものから、農業では化学肥料の変わりに土に混ぜたり、水質汚染の進んだ川ではその浄化材として環境保全にも役立っています。
 炭がなぜこのように様々な用途に対応できるかといいますと、その秘密は成分と形状にあります。炭は一見ただの黒い塊のように見えますが実は微細な孔だらけの構造をしており、それだけに内部表面積が大きく炭1gあたり300㎡もあります。これはピーナッツ1粒くらいの炭でも、その内部表面積はタタミ200畳分くらいの広さに相当します。この広い内部表面積が優れた吸着力を発挿するのです。
 炭の孔の直径は大きいもので1000分の1mm、小さいものが1000万分の1mmくらいでそれらが無数の細いパイプを束ねたような構造になっており、このパイプには側孔もあって横にも通じています。それらの小さな孔が微生物にとって理想的な住み家となり、住み着いた微生物は吸着した湿気、ニオイの成分や有害な化学物質などを分解してくれるというわけです。
 炭にはミネラルが豊富に含まれており、水道水を入れた容器に入れるとカルキ臭の元となっている塩素や有機物や不純物を吸着して分解処理してくれた後、そのミネラル成分が溶け出して美味しい水を作り出してくれます。またこのミネラルの主成分はカルシウム約40%とカリウム約20%で水に溶けるとアルカリ性の水溶液となります。
 また炭には空気中のマイナスイオンを増やす働きがあります。マイナスイオンは心身の休息をつかさどる副交感神経にはたらいて気分を穏やかにし、全身をリラックスさせるなどの鎮静効果があります。例えば寝室に置き炭をしたり、枕の中や炭入りシーツなどの使用方法があります。
 水質浄化力は汚染された川の水を、小石を使って浄化した場合では水質の浄化基準の目安となるBOD(生物化学的酸素要求量)は20ppmですが、炭を使うと約2.0~3.Oppmまで浄化でき、蛇口からでてくる水道水と同じくらいまでキレイになります。過去に東京の八王子で行われた実験では、120kgの炭を長さ2~5cmの粒状に砕いて、ミカンやタマネギ用の網袋に入れ、多摩川の支流・南浅川にそそぐ生活雑排水路の底に敷き詰めました。
 その結果、1ケ月後には悪臭がしなくなり、3年後にはウグイが産卵しホタルも飛び交うようになりました。水質を調べると、アンモニア分が3.9ppmから0.17ppmに減り、BOD値も11.0ppmから4.5ppmまで浄化できました。金属などの不純物の浪入量の目安となる電気伝導度の数値も約3分の1に低下しました。
 このように炭化は単なるリサイクルというだけことでなく、その出来上がった炭が私達の生活環境を向上的に改善してくれるわけです。現在、様々な環境問題から資源を守ろう、数が少なくなりつつある資源を極力抑えてリサイクル製品を使おうといった声が聞こえています。それゆえに炭化こそ今のこの時代に必要な循環型社会の基本となるリサイクルであるような気がしてなりません。リサイクル製品として出来上がった炭が環境保全の役に立つ、私達の生活を、健康を良くしてくれる。こんなに素晴らしいことはないんじやないでしょうか。